Bazaar

市場 Bazaar :Çarşılar ve Pazarlar

トルコの市場空間、いわゆるバザールには大きく2つのタイプ、常設の商業空間チャルシュçarşıと仮設の商業空間パザルpazarがあります。
チャルシュは商店街の複合体で歴史的な商業施設も多く立ち並び、パザルは週に1,2度、街路や広場にテントが張られ、開催される定期市です。

 

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イスタンブルのグランドバザール  Kapalıçarşı, istanbul


◆常設の商業空間:チャルシュ(トルコ語çarşı)

都市中心部にはチャルシュと呼ばれる商業エリアが広がっています。都市の規模によってチャルシュの規模も異なり、通りの両側に店舗が並ぶ商店街タイプのものやイスタンブルのグランドバザールやエジプト市場のような屋根付き市場など空間形態も多様です。
チャルシュでは日用雑貨の店から貴金属や絨毯などの特別な品を扱う店まで幅広く並び、店舗だけでなく、仕立屋などの工房もあり、金物屋の職人街など同業種が集まってエリアを形成している都市もみられます。

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サフランボルの金物屋職人街  Safranbolu


1) チャルシュ内の重要な商業空間01:ベデステンbedesten
ベデステンは貴金属や絹製品など高価な商品を扱う堅固な商業施設で、ホール形式の大空間の中に小さく区画された店舗が並ぶ事例が多くみられます。オスマン帝国時代に建設されたものが現在もチャルシュの核的な存在としてイスタンブルやブルサなどの大都市で活用されています。
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ブルサのベデステン Bedesten, Bursa

2) チャルシュ内の重要な商業空間02:アラスタarasta
アラスタは通りの両側に店舗が連続して並ぶ形式のものから、エジプト・バザールのように通りと両側店舗全体を屋根で覆い、一体化した施設として建設されているものまで幾つかのタイプがみられます。
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イスタンブルのエジプト・バザール Mısır Çarşısı,istanbul

3) チャルシュ内の重要な商業空間03:ハンhan(キャラバンサライkervansaray)
ハンは隊商宿や商館として建設されたものです。ロの字型に中庭を囲み、1階と2階に小部屋が並ぶ形式のものが多くみられます。かつては他の都市からやってきた商人たちが1階や中庭に動物をつなぎ、2階を宿泊室として使っていたようですが、現在はオフィス、倉庫、工房、店舗として使用されています。歴史的建造物として修復がなされ、ホテルとして再生するハンも各地でみられます。
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カスタモヌのホテルとして再生したハン Han, Kastamonu

ベデステン、アラスタ、ハンは歴史的な商業施設であり、現在も商業機能を果たしています。このほか、ハマム(公衆浴場)や神学校などの歴史建造物を修復し、新たに商業施設として再活用している事例も多くみられます。

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◆仮設の商業空間:パザル(トルコ語pazar)

パザルは週に1,2回開催される定期市のことをさし、通りや広場にテントが張られ、野菜、乾物、乳製品、衣類、靴、日用雑貨といった生活必需品が所狭しと並びます。新鮮な野菜や苗木などから季節の移り変わりや日常生活を垣間みることのできる空間です。
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都市によっては、一時的にテントを張って仮設商業空間を形成するタイプではなく、専用の常設市場施設を建設し、その中に陳列台を並べる事例もあります。衛生管理面やパザル開催地の周辺住民に対する配慮(騒音問題、ゴミ問題など)から常設化している場合も多く、毎日、開催するものから週に1,2度の定期開催までバリエーションがあります。週に1,2度開催する施設では、他の曜日は駐車場として使用され、2-3階建のものもあります。

多くのパザルは、生鮮食料品から日用雑貨まで日々の生活に必要な商品を扱っていますが、中には特殊な商品のみを扱うパザルも出てきています。例えば、牛や羊などの家畜のみを扱うもの、オーガニック商品のみを扱うもの、黒海地方の都市カスタモヌから届いた食材のみを扱うものなどです。