Central Regionの最近の調査レポート

コンヤ Konya

Türkçe

konya01.JPG バザール Çarşı

コンヤ県の県都。都市部の人口1,412,343人(2007年)
紀元前から長い歴史を有し、セルチュク時代には首都として栄えてきた都市である。中央アナトリアの交易の拠点としても重要な役割を果たし、周辺にはかつての隊商宿キャラバンサライが残っている。また、メブラーナゆかりの地として霊廟と祈祷所があり、現在はメブラーナ博物館として公開されている。
町のメインストリートは、アラエッディンの丘とメブラーナ博物館を結ぶメブラーナ通りで、通りを軸に中心部が広がる。アラエッディンの丘には、セルチュク時代を物語る建造物としてアラエッディン・モスクAlaeddin Camiiが、丘の周辺にはカラタイ・メドレッセ(神学校)Karatay Medresesi、インジェ・ミナーレ・メドレッセİnce Minare Medreseが残っており、2つのメドレッセは博物館として公開されている。
バザールはメブラーナ通りの南側に位置し、メブラーナ通りに並行する通りと直行する通りによって格子状の平面形態となっている。バザール内にはモスクが点在し、店舗や工房は、靴、衣料品、貴金属、家具、といったように業種ごとにエリア分けが明確である。
コンヤは大都市であるため、多数の露天市が存在する。露天市は通りに露店が並ぶものがメインであるが、近年、屋根付きの施設が複数建設され、天候に左右されず開催可能な市場空間が提供され始めている。都市の中心部には食料品を扱う市場として、バザールに隣接するホール型の市場施設があり、毎日営業している。露天市の施設化の傾向は、コンヤ露天商組合の事務所の横にもみられる。2007年に建設された市場施設である。ここは金曜に開催される市場であり、屋根と壁による大空間内に1台のサイズ、幅2.75m×奥行き1.10mの陳列台が用意されている。クチュック・クムキョプル・パザルでは同じく屋根と壁の大空間内に食料品エリア、衣類エリア、雑貨エリアとエリアを分けながら店が並ぶ。施設の一部に公衆トイレ、チャイハネ、警備員室があり、チャイハネは店の前でチャイを提供するだけでなく、露天商たちへチャイの配達も行っている。施設化によって、衛生面だけでなく、安全面での配慮もなされている。

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バザールエリア図 Çarşı

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野菜市場 Hal

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定期市 Pazar

ベイパザル Beypazarı

Türkçe

木造民家が保存されている町

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Hıdırlık Tepesinden

アンカラから西へ約100kmの所に位置する。人口34,496人(2007年)。

アンカラとイスタンブルを結ぶかつての街道沿いの町である。バザールの南西にはかつての隊商宿、スルハンSuluhan(1683年建造)がある。街道の拠点として多くの商人が行き交った様子がうかがえる大規模な石造2階建の施設であり、2008年の調査時は修復工事中であった。
隣接するバザールは複数の街路によって格子状の平面形態をとり、木造2階建ての店舗群が連なる。建物だけでなくバザール全体を歴史を継承する空間として整備しようと、路面の舗装工事が2008年になされている。服や布団の仕立て、靴、馬具、金物、銀細工などの工房も多くみられ、建築物という場の保存だけでなく、中身である伝統工芸の継承もなされている。緻密な細工が施される銀細工Telkariの伝統芸術で有名な町でもある。また、モスクや床屋、チャイハネ(喫茶店)もバザール内に点在し、人々のコミュニケーションの場として利用されている。

毎週水曜にはバザールの南東部の通り及び隣接する広場で食料品の市が、幹線道路を挟み、塔を有する建物の裏側で衣料品の市が開催される。店舗数は衣料品68軒、食料品110軒(2008年調査時)。アンタリア方面の村々からも食料品を売りに来るようである。

また、バザールのやや西に位置する広場Alaaddin Sokakでは、週末に観光客向けの市が開かれる、土産物などが売られる。そこから続くバザール内の通りにも露店や常設店舗が並び、併せて賑わいをみせる。
この広場周辺は修復、保存された木造民家が多く、白壁の連なる景観が印象的である。民家の多くは1階部分が石造で、木造の2,3階部分がメインの居住空間となっている。居室の窓が外へ張り出し、部屋からの眺望が楽しめるように工夫されている。ベイパザルではこの広場以外にも多くの木造民家を修復しており、全体で3000以上もの木造民家がある。

銀細工の他に、野菜、特に人参の生産地としても知られている。人参を使った菓子ロクムHavuç Lokumuやベイパザル・ギュヴェチBeypazarı Güveçと呼ばれる土鍋ごと石釜で焼く郷土料理など、食文化も豊かである。アンカラから車で2,3時間と近いために週末の日帰り観光地として賑わいをみせている。また、毎年6月第1週の週末には "Uluslararası Tarihi Evler, El Sanatları, Havuç ve Güveç Festivali"と呼ばれる国際フェスティバルが開催され、フェスティバルを通して、日本との文化交流もなされている。

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バザールエリア図 Çarşı

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ベイパザルのバザール Çarşı, Beypazarı

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ベイパザルの水曜市、野菜エリア Çarşamba pazarı ,Beypazarı

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ベイパザルの水曜市、衣料品・雑貨エリア Çarşamba pazarı ,Beypazarı

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ベイパザル 日曜の観光市 Turistik pazarı, Alaaddin Sokak ,Beypazarı

▶ベイパザルの歴史建造物 Beypazarı tarih eserler

ナルハン Nallıhan

Türkçe

コジャハンのあるキャラバン都市

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人口12,895人(2007年)。
ナルハンは、アンカラ県西部、ナルハン郡の中心都市である。ヒッタイト時代から長い歴史があり、ローマ時代は商業及び軍事上の街道の拠点として繁栄してきたようである。現在は、南北に貫く国道を中心に町は広がりをみせ、バザールは国道の東側に位置し、グリッド状のプランとなっている。バザール内の通りには1,2階建の木造店舗群が連なり、チャイハネや食堂、衣類や食料品の店舗だけでなく、靴修理などの工房もみられる。バザール南部に1595年に建設されたコジャハンKoca Hanと呼ばれるかつての隊商宿があり、町が街道の拠点として機能していたことがうかがえる。コジャハンと共にモスク、ハマムも建設されているが、残念ながらハマムは姿を消している。2008年調査時、コジャハンは修復工事が進められており、いずれ観光に活用される様子であった。
月曜の露天市は市役所前の通りから広場、川沿いの通りにかけて開催される。周辺の村からの生産物販売エリアはもともとハンの中庭であったが、2008年現在修復工事中のため、ハン前の通りとなっている。全体の露店数は150軒程度であり、季節によって変化する。周辺には80以上の村があるため、露天市の利用者は多く、月曜は特に賑わいをみせる。

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バザールエリア図  Çarşı

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国道から1本奥まった位置にあるバザール Çarşı,Nallıhan

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150軒の露店が並ぶ月曜市 Pazar,Nallıhan

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コジャハン Koca Han,Nallıhan